80 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 08:21:59.03 ID:PbmKT3zF
学生の頃の友人と毎年のお中元とお歳暮に、自分の地元にしかないものを送り合うことにしている
去年の暮れに友人に送るものを探しにデパートの地元の特産品コーナーに行ったら、小さい頃によく食べていたお煎餅を見つけた
その煎餅屋は店主の引退により店はないが、人気の高い煎餅なので時折、店主が焼いてデパートに出すだけとなっていた
煎餅といっても柔らかい、赤ちゃんでも食べられるものなので96歳のおばあさんも一緒に住む友人にいいだろう、と最後の一つを手に取った
すると横から
「ちょっとそれ寄越しなさい」
とどこかのおばさんに言われた
「それは私のよ」
「でも、持っているのは私です」
するとおばさん、
「それは私が先に目を付けていたのよ。後で買うつもりだったの。よこしなさい」
その言い方に軽く切れたので
「だったらお店の人に取り置きしてもらったらよかったでしょう」
すると今度は泣き落とし始めた
「うちの年寄りが食べたがっている」
「孫の大好物で」
泣くので周りには人だかり
おばさんにしてみたら、私が煎餅渡すと思ったようだが、ギャラリーの意見は
「汚く泣いてみっともない」
だった
おかげで私は煎餅を買えたが、私もかなりみっともなかった
(-д-)本当にあったずうずうしい話 第135話
いけないことはいけない。
妥協や譲歩はそういうことではしてはいけない。